実録! これがセカンドレイプだ
さて、長々とシンガポールの犯罪未遂事件について語ってきましたね。
ここからちょっと派生した、セカンドレイプの話を。
私は以前、とある読書会に出席しました。
そして『暴力を知らせる直感の力』を紹介しようと思って、その本を持っていったのです。
とある高齢男性が参加していました。
文学好きで、長々と自分の話ばっかりしています。
けっして高齢者を差別するつもりはないですが、あのー、森喜朗さんみたいな、ねえ……そういう雰囲気がありました。
仮に森さんとしておきましょう。
さて、読書会だから本を紹介するわけです。
ただ内容を抜粋するだけではおもしろくないので、このブログにあるような話をしました。
車に乗って、さてどうする? というところにさしかかりました。
私「で、それから……」
森「車に乗るなんてアホやっ!!」
森さんは、いきなり怒り出しました。私たち、まったくの初対面ですよ。
いや、さあ……私があなたに何か迷惑をかけましたか?
それに、まだ話の途中でしょーが。
また、その言葉のなかには明確な非難の意志が感じられます。
「犯罪に遭遇したのは、おまえがわるいんだ」的な。
私はいささかショックを受けつつ、抗戦しようとしました。
私「いや、今はそーいう話じゃなくて……」
すると、世界何ヶ国も旅してきた女性が、話にわって入ってくれました。
仮に稲沢さんとしておきましょう。
「だって、本当に親切な人とわるい人の区別なんてつかないよ。チュニジアにいったときも、家へおいでー、っていう人たくさんいたもの。そんなの、いちいち疑ってちゃきりがないよ」
なぜかひるむ森さん。
チュニジアはおろか、熱海にも行ったことがないのかもしれません。
私「そうそう。で、その本当に親切な人と、わるい人を見分けるにはどうしたらいいのか、ってことが、この中に書いてあるんです!」
私は稲沢さんのおかけで、話の主導権を取り戻すことができました。
稲沢さん、その節はありがとうございました。
まあ、こーいうのがセカンドレイプってやつですよ。
それに、これは人の話の腰を折るということで、マンタラプションも入っていますね。
・マンスプレイニング 男が、女に「オレ様の話をきけ」と長々と説教すること。
・マンタラプション 男が、女の話をさえぎること。
・ブロプロプリエイション 男が、女の意見を「自分がいった」的な顔で横取りすること。
これみんな政治学用語なんですよ。
森さんの発言は、いま思い返してみてもちょっと唐突です。
ネットで「フェミニズム」というタイトルの記事を見つけたら、即アンチコメントをつけるような、脊髄反射だったのでは?
ここでも紹介しましたが、犯罪に遭う=告発=男社会への異議申し立て、ということで、女性が犯罪体験を語ると、それだけで目のかたきにするような人がいるのでしょう。
社会には、まだまだ「オンナは黙らせろ」という力が働いているのだと思われます。