「自己懲罰」という心の罠
さて今回は、恐ろしい心の罠について語っていきましょう。
占い鑑定では、よくこんなシーンがあります。
占い師「これ、やった方がいいって出てますよ」
お客様「いえいえ、私なんて……」
これって、だいたい無価値観が原因になってるんですよね。
では、その無価値観がどこから発生したのかというと。
(1)存在を否定される。
まずは、これです。
バリエーションはいろいろですが、必ず自分の存在を否定されるような出来事が起こっています。
「はあ~、おまえが女の子だったらなあ……」
「あんたがいるから、あたしは離婚できないのよ」
人生で「ぼくはここにいていいんだ!」なんて晴れやかに思うような瞬間は、まあ、なかったんでしょうね。
(2)無価値観の発生。
そこから無価値観が生まれます。
「あー、ぼくはなんてダメな人間だ……」
これはわかりやすいですよね。
で、そこに気づいてポジティブシンキングや認知療法で「考え方を変えよう」とします。
でも、なかなかうまくいかない。
それは……。
(3)隠れた罪悪感。
存在否定を受けた時は、無価値観と同時に、罪悪感も発生します。
「あ~、確かにぼくは生まれてきちゃダメだったのかも……、そうだよなあ~、ぼくの存在はお父さんとお母さんを不幸にしているんだ」
で、この罪悪感がどう働くかというと。
「ぼくは罪人だ。咎人だ。罰を受けるべきだ。
だから……。
幸せになってはいけない。
生きがいを見つけてはいけない。
価値ある人間になってはいけない。
だって、そうすれば……。
ぼくは許してもらえるかもしれない」
自己懲罰という心理です。
実は自分は不幸を望んでいる。
そして恐ろしいのが、こういうプログラムは、たいてい無意識下で動いているということです。
自己懲罰のために、トラウマの再演をくり返しているというケースもあるかもしれません。
「私は男運最低! ひどい星のもとに生まれた!」といってる人は、
実は単に、自己懲罰としてダメ男を選んでるだけだったりするのかもしれません。
たとえ、身近に良い男性がいたとしても……。
占い師「この人、とっても良さそうですよ」
お客様「あ~、その人、弁護士でイケメンで優しいんですけど、コーヒー飲む時、小指を立てて飲むんです。ありえなくないですか?」
などといって、却下されます。
そこ、そんなに重要なポイントかなあ。
なんかもう、最初から、自分が幸せになる道を視野に入れていない感じがします。
お客様が「悪運」とか「こういうホロスコープだから」と思ってるのには、
実はこんな原因があるのかもね~、ってお話です。
そして、仮にそういう心理があったとしても、記事だけ読んで「ふーん」で終わってしまうでしょう。
この罪悪感がッ!
自らの内にあるんだッ!
と、ハッキリ認識しないと、なかなかプログラムは外れないでしょうねえ~。
それにはカウンセリングとかセラピーとかのツールが必要で、ある程度の時間がかかってしまいます。
あえて何かアドバイスするなら、
「自分を許すことにフォーカスした方がいい」ということですかね。
まあ、それはそれでかなり難しいことですけど……。