それは「立ち向かうべき試練」か「間違った道を歩いているサイン」か?
どうも、易者の黄玉です。
最近はスピリチュアル系の本が売れていますね。お客様のなかにも「この人、かなりハマってるんだろうな」という方がおられます。
スピ大いに結構、ムー大好き、フラワーエッセンスは淑女のたしなみ!?
でも「ちょっと待ってください」と思うところもありますので、記させていただきます。
さて、どういった本が売れているのかというと、幸田露伴の『努力論』(おそらく我が国最初の自己啓発本)……などではなく、宇宙・キラキラ・ワクワク・ガマンしなくていいもん! 系の本でしょう。
確かに、今の日本人は我慢しすぎなので、こういった傾向の本が必要なのかもしれません。そりゃ、やりたいことやった方がいいですよ。直感は大切にするといいですよ。
でも、それですべてが解決するかというと、どうでしょう。
それに、この手の本に洗脳された方は、ちょっとうまくいかないことがあったりすると、すぐやめてしまいます。
たとえばこんなのです。
Aさんは飲食店に勤めています。Aさんがまかないで作るオムライスがおいしいと評判になりました。しばらくすると、常連客の間で人気メニューとなりました。Aさんは「これで独立できたらいいな~」と思いはじめました。
すると店長が「昼の間だけ、店を使ってもいいよ」といってくれました。やった! 初期費用ほぼゼロで開店できる! Aさんはバリバリ働いて、オムライスは人気メニューとなりました。そして有名雑誌にも紹介されました。
ワォ! 流れに乗ってる~。
ところが、Aさんの父親が急に倒れて、介護が必要になりました。Aさんは一人っ子で、母親も病気がちです。
Aさんは思いました。「もしかしてこれは、間違った道に進んでいるという、サイン……?」Aさんはお店を閉め、実家の近くで飲食と関係のないパートをしながら、介護を続けています。
本当にこれでよかったのでしょうか?
私は「そこでやめるからあかんのや」と言いたい。
・第一段階 何かやろうとする。情報が次々と集まってくる。やってて楽しい。
・第二段階 急に迷いが出る。障害が現れる。協力者が離反する。
ここを乗り越えないと、第三段階に行けないですよ。
そしてこの第二段階の障害というのは、非常にもっともらしいものです。
家族が病気になった。資金援助の話がフイになった。内部の人間が裏切った、など。
「あ~、そうなんだ、大変だね。それじゃあ、やめても仕方ないよね」というものです。自分にも周囲にも言い訳バッチリ。
でもそれは乗り越えるべき試練なんですね。
「あなた、新しい世界に行きたいですか? でも、今のあなたじゃ力不足ですよ。この試練を乗り越えてレベルアップしてね」というものです。
それと、これは同時に決意を試されているのだと思いますね。
実際に店を持つと、予想だにつかないさまざまな苦難が起こるでしょう。
「それでやめるくらいなら、今やめれば?」という天の声だということもできます。
最近のお客さまはナイーブというか、ちょっとうまくいかないと「これは違う道だっていうサインなのかな」「この人はソウルメイトじゃないかも」と即座に見切ってしまいます。
恋人にするなら、やさしくて誠実でお金持ちで浮気しなくてDVしなくて精子が元気な人。
でもそれは「そういう人が好きだから」というより、「失敗したくない」という感情の方が大きいように思えます。
「最短最速のルートで正解を見つけ出したい」というか。
そもそも、人生に正解なんてあるンすかねえ。
何かに挑戦していたら、スルスルうまくいく時も、苦難苦難の連続フェーズも、両方あるんじゃないでしょうか。どちらも経験しておかれるといいと思いますよ。