「女の子なのにすごいね~」は逆効果!
今日はひな祭りの日ですね。
じゃあ、ちょっと女の子の教育に関するおもしろいお話を。
この前『ステレオタイプの科学』という本を読んで面白かったんです。
女子中高生の数学に対する意欲とステレオタイプという論文も読んでみました。
女子中高生は、ある時期まで男児と同じ成績なのに、途中で成績と意欲が低下する。
それはなぜ? 何かネガティヴな影響を受けているのでは。
この論文では「女の子なのにすごいねー」「女の子なんだからしょうがないよ」という、
一見好意的に見えるようでありながら、実は差別的な発言の影響力を調べています。
研究1
「女の子なのにすごいねー」といわれた子は、いやな気分になった。
研究2
もともとよい成績の子は、このセリフにカチンときて、差別性を感じ取った。
もともとわるい成績の子は「女の子なのにすごいねー」といわれてもいわれなくても、特に変わらなかった。
じゃあどうすれば女の子のポジティブ感情を高められるのか。
この論文にはそれが書いてないんですよ。それが読みたかったのに。
まあこの論文は「好意的性差別表現はどのような影響を与えるか?」を調べたものですから。
『ステレオタイプの科学』には肯定化の方法がいろいろ書いています。
ちなみに、ステレオタイプの科学について、再現性が疑われているらしいですが、いや~、でもぜったい何かあるでしょ?
日本でもいろいろと研究されています。
ジェンダー・ステレオタイプと科学教育:社会心理学的研究からの示唆
「女性は数学が苦手」 ―ステレオタイプの影響について考える―
「女は〇〇だから~」といわれると、ほめてもさげすんでも、悪い結果になるというのは興味深いですね。
(どれだけ「女」にネガティブイメージがついているのか……)
そもそも「〇〇なのに××」という言葉そのものが差別的なわけで。
「埼玉県民なのにおしゃれだね~!」といわれてうれしいですか?
具体的にどう教育に応用するかはまだまだこれからですが、覚えておいて損はない知識だと思います。
ではまた~。