子どもの「感情」を恐れる親たち(2)
はい、親御さんの最大の問題行動はこれです。
「子どもに興味を持っていない」
いやいや、子どものことを心配して、なんとかしようとして相談してるじゃん。
興味あるでしょ?
はい、子どもの行動には興味があります。
テストで何点取ったか。どこの大学に入ったか。どんな会社で働いてるか。
目に見えることは大変重視します。
特に「〇〇させる」ことにはものすごく熱心です。
塾に通わせるとか、就職させるとか、結婚させるとかですね。
でも、子どもの気持ち面はほとんどスルー。
正確に言えば「子どもの気持ちにはあんまり興味ナイ」です。
たとえば、大学受験失敗後に引きこもったとしましょう。
客「それ以来、もう10年も引きこもりで~」
私「なるほど」
客「ほんとにまったく困った子ですよ。お兄ちゃんはやさしくて頭がよくてお医者さんになって結婚もして……」
客「それで、子どもが『おれがこんなになったのはおまえらのせいだ』って言いにくるんですよ」
私「親御さんに努力を認めてほしかったんじゃないですか」
客「そんな昔のことを今さら言われてもねえ」
私「今、お子さんはどういう気持ちなんでしょうねえ」
客「さあ? お兄ちゃんはちゃんと育ったのに」
(以下、お兄ちゃんアゲ弟サゲ発言が続く……)
ここに通奏低音として流れている「お兄ちゃん=良い子、弟=問題児」のテーマを聴き取れますか?
「小さい頃からずーっと、こんなふうにして育てられてきたんだろうなあ。
共感とか理解はゼロだったんだろうなあ。そりゃあ、心も折れて鬱状態にもなるだろう……」
と、お子さんの肩を持ちたくなります。
なんといいますかねえ~……。
親御さんのいうことは、すべてが「要求」なんですね。
ああなってほしい、これをさせたい、こういう人間になってほしい。
「〇〇させる」とか「〇〇の職業に就かせる」って、
いったい誰の人生なんだって話ですよ。
たとえば恋愛占いなら「相手の気持ちはどうかな」って聞きたくなりますよね。
でも、ここには「相手の気持ちを知りたい」ってニーズはほとんどない。
「相手を自分の想い通りにコントロールする方法」を知りたいだけです。
子どもを自分の思い通りにして、それで双方にとってハッピーエンドとなるでしょうか?
💡 「〇〇させること=親の愛、教育」とだけ思ってたら、大きなしっぺ返しをくらいますよ!
それでも一応解決策を占います。
私「親子間で話し合いをしてみては?」 ⇒ こういう凡庸な占い結果が出ることもあります。
客「う~ん……」
私「正直なところを伝えるしかないですよ」
客「本人を刺激したくないんですよね~」
私「このままお子さんを支えるというのもアリですけどね」
客「それは困ります!」
なんだかんだもっともらしいことを仰いますが……。
どうも、親御さんは子どもの感情を恐れている? ようなフシがあります。
子どもをコントロールしたいと熱望するわりには、
子どもの目を見て話をすることもできてないんじゃないかな~……と、いうような。
つづく。