4 霊感のある子どもに依存する親
占い依存症シリーズ、第四回目!
さて占い依存症といえば、どっちかというと「悪徳占い師がお客を依存させている」というイメージが強いかと思います。
数多の霊感商法、オセロ中島さんの件、また『霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造』 でも、そのような事例が取り上げられていますね。
でもォ~、そんなふうに「依存させられた」なんて被害者意識を抱いてばかりだと、なかなか変われませんよ。
ですので今回は、弱者に依存する強者というケースを取り上げてみます。
これを読めば「依存する」という暴力に気づく……かな?
(ここでの「霊感」とは第六感、直観、予知能力を含む、神秘的な力全般のことを表します)
私は幼少時から、占いに興味を持っていました。
小学館入門百科シリーズ『うらない入門』を読んで、手相やトランプ占いの勉強(?)をしてました。
しかし、ま~、わからない当たらない。雑学として頭に入れているだけでした。
高校生くらいの時でしたかね。
アレクサンドリア木星王先生の『秘密のタロット・カード』を手に入れると「ん? 当たる? いや、やっぱりわからない……」となりました。
それから基本のウェイト版ライダータロットに手を出すと、かなり明確に「あれ、当たってる?」と思うようになりました。
木星王先生のカードは非常に凝っているのですが、独特な解釈が多々入り込んでいるため、初心者には使いにくかったようです。
普通なら、ここから友だち関係の恋愛問題を占ったりして、腕をあげていきます。
しかし……。
私の母親は、非常に精神が未熟な人です。
いわゆる毒親の条件はフルコンプリートしています。
その頃母親(離婚済み)は、とある既婚男性と不倫関係になりました。
しかしその男性は年下で、自分がいつ捨てられるか、不安で不安でしょうがなかったのです。
そして、身近に占いの才能を持った子どもがいる。
じゃあどうなるか。
占い依存まっしぐらですよ。
私は深夜まで母親の恋愛カウンセリングをさせられ、タロットカードを何回もきり、あーだこーだグチグチいうのに付き合わなきゃならなかったのです。
おいおい……。
子どもに自分の不倫相談する親なんているの?
これが悪名高き「親子の役割逆転」です。
私の母親は「自分は親として子どもにどう接するべきか?」をまったく考慮できません。
多感な年頃の子どもに、自分のじゅくじゅくした恋愛問題を相談して、恥じるところはないのです。
スピリチュアルに依存するタイプというのは、相手が誰であろうが関係性がどうであろうが、かまわずに依存してしまうという例ですね。
こんなふうに、親が霊的能力のある子どもを搾取するケースがあります。
たとえばこれ。
要約:石の声が聞こえる少女。両親が少女の言う通りに宝くじを買うと、一億円当たった。しかしその後、両親は少女の石の声を聞く力を利用して、ぼったくりパワーストーン屋をはじめた……。
本当に効く念だの祈祷だのが入ってて1万なら、むしろ安いと思います。
しかし問題は、それが児童労働だってことですよ。
確かに、石の声は聞こえるんでしょう。でも初回のそれは「偶然」聞こえただけのはず。
クライアントの悩み事に応じて適切な石を選ぶ……志向性を持って霊感を使うのは、しんどいことなんですよ。
この両親のような手合いは、霊感・霊能力を適切に使うのがいかに大変なのか、まったくわかっていません。
「聞こえるんなら教えてよ、ケチ!」くらいの気持ちでいるんでしょう。
あのねえ~。
霊感ってのは、ただポンとあるわけじゃない。
それなりの気力、体力、世間知がないと使いこなせないんですよ。
この両親は月収いくらを目指すつもりなんでしょう。
親子三人で暮らすとして30万くらい? そのたびにこの子に石の声を聞いてもらうの? 毎日一人がノルマ? こういう場には、必ず怨念や愛欲でドロドロの注文がくるよ? それを五才の子どもに聞かせるの?
未成熟な子どもに霊的な負荷をかけ続けるとどうなるか……。
私も「こうすればこうなる」とハッキリいえませんが、何らかの悪影響は出るでしょう。
精神病全般、頭痛、アレルギー、自律神経失調症、あるいは人格の歪みなど。
「だけどォ、本当に当たる霊感があるなら、頼っちゃうのは仕方ないよ……」
ノンノン。
ここで真に問題なのは、周囲の大人の「誰でもいいから依存させて!」という弱い心です。
「霊能力を頼りにする」なんて、ただの口実~。
だいたい、真に不倫問題を解決したい人が、タロットはじめて数ヶ月の高校生に相談するでしょうか。
占いに依存したい。そのお告げに従っていたい。自分の内面を見つめたくない。自分の人生に責任を取りたくない。失敗した時は、すべて占いのせいにしたい。だって自分は悪くないもん。
何でもいいから寄りかかりたいだけ。
この両親も、少女におっかぶさる気マンマンですよね。
すぐに一億溶かして、パワーストーン屋が左前になったのを少女のせいにしそう。
この場合はビッグなご利益を授かりましたが、誰か何かに依存したくてうずうずしていたに違いありません。
そりゃあ、中には極悪な占い師もいるのかもしれません。
でもその際、自分に1mmも依存心がなかったといえますか?
もし、あなたが「依存させられている」と自覚しつつ、それでもなお関係を断ち切れないのならば、こうした点も併せて考えてみてください。
同じく石を愛する者としては、この少女の将来が心配ですねえ。
なぜこういう両親のもとに生まれたのか……。
まあ我々はそうした環境から、色々なことを学ばなければならないのでしょう。
けれど人生を丸投げしていた者は、いつか必ずそのツケを払うことになります。
そうそう、家族との縁切りには、ホワイトトパーズがとってもよく効きました☆
少女に石の加護があらんことをお祈り致します。
Lesson 4
この先も占い依存を続けていった場合、あなたは何を失うと思いますか?
時間? お金? 人間関係? それらを書き出してみてください。