第8話 4/25 大阪府庁前抗議・謎の主催者
テレビを持ってなくて孤独な私は、ツイッターをのぞいてみました。
大阪府庁前で抗議が行われるとか。
大阪の吉村知事が、マスク会食しろって言い出しましたよね。
最近、近所のカフェでも、アゴにマスクを装着したままスパゲティ食べてる人がいるんですよ。
病院では、一時間に一回くらいの頻度でマスクを取り換えているそうです。
雑菌が大量に付着しているであろうマスクをアゴにつけて飲食……。
いまや日本は、チャップリンも裸足で逃げ出す喜劇国家になっています。
少しは意思表示しておかないと。
――大阪府庁前。
大阪城が見えて、人々がジョギングや散歩を楽しんでいます。
のんびりとした、いいところですね。
でもそこに、異様な団体が現れて異様な情報を伝えるわけです。
「夏にマスクしてたら熱中症で倒れる。とくに子どもは危険が大きい」
「コロナで亡くなってるのは、寿命間近の人間だけ」
「吉村知事は『感染拡大の収束に外出自粛や休業要請による効果はなかった』という阪大の中野貴志教授の発言をまるで無視している」――とか。
大阪駅前と比べるとそこまで人通りはありませんが、こっちに向かって手をふってくれるノーマスクのカップルがいたり、マスクしながらジョギングしてる人が、マスク外して手をふってくれたり、ギャラリーの反応が面白かったですよ。
まあ「邪魔や、ケッ!」という人もいたわけですが。
さて、私がこのデモに参加するにあたって、不思議に思ったのは「主催者はどういう人なんだろう」ということです。
ツイッターを見てると、全国各地を飛び回って活動してます。
交通費いくらかかってるんだと心配になります。
悠々自適な人なのかな?
私はお花見のとき、メンバーに「Tさんってどういう人ですか?」とたずねました。
「いつも首にタオルかけてる人だよ」
なるほど……わからん!
なので、いろいろと想像しました。
(1)プロ市民とか、職業的アジテーター。活動資金の出どころは不明。
(2)CIAの工作員。日本の感染症対策を妨害して、国力をそごうとしている。
(3)日本の公安。反コロナの人々を一斉粛清する時のために、今から個人情報を集めている。
(4)中国のスパイ。日本はスパイ天国で、諜報活動が簡単すぎてヒマなので、余暇に反コロナ活動を楽しんでいる。
(5)首にタオルをかけて、顔をおしぼりでふくような壮年の一般人男性。
メンバーが街宣している様子を、動画にとっている人がいます。
――あっ、タオルだ! あの人かな。
他のメンバーの人から、紹介してもらいました。
「神戸のデモ見て、きてくれたんですよ」
「こんにちは」
「あ、どうもはじめましてー」
Tさんはシュッとしたスーツ姿の男性で、さわやかに挨拶してくれました。
がしかし、めちゃくちゃ鼻毛が出ています……なんだこれ?
バカボンのパパ並みというか。
つまり、人からどう思われるか、まったく気にならない人なのでしょう。
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そんなTさんは、私の職業をきいて、一瞬ひきつったような顔をしました。
ノーマスクピクニック、GWに都内でひっそり開催されていた 参加者がそこで見た光景
引用「発起人はおそらく40代半ばで、職業不詳の活動家みたいな感じでしたね」
この記事の「発起人」がTさんです。
私は職業不詳の活動家にギョッとされるんですか……。
まあ、占いに拒否反応を起こす人はいますからね。
実際はかなりの常識人だと思われます。
この日はちょっと顔を出しただけなので、打ち上げピクニックには参加しませんでした。
まあ、CIAか公安かはわかりませんが、タオルは確実でした。タオル。
CIAが首にタオルをかけるとは思われない。
答えは(5)かな?