第7話 テレビを見ていないと、周囲と話が合わなくなる?
私は平凡な一般市民です。
ただ、ここ20年ほどテレビを見ていません。
以前、知り合いから「テレビ見ないと、周りと話が合わなくない?」ときかれました。
その時は「テレビの話しかすることない知り合いなんていらないよ」とツッパった答えをしましたが……。
――うん、ぜんっぜん合わないですね!
「まあ~、お久しぶり~、ねえねえ、黄玉さん、大丈夫だった? 調子はどう?」
「大丈夫です」
「ほら、この布マスク! 抗菌やねん、あげるよ」
「ありがとうございます……」
「今、コロナはやってるね~」
「……」
どうやら私には、コロナに対する恐怖心が微塵もないようです。
それより、アルコール消毒で指にささくれができるほうがよっぽど恐ろしいです。
――知り合いの高齢者と話していると。
「黄玉さん、最近どうですかね」
「元気ですよ! この前、風邪をひいたけどすぐに治りました。もしかしたら、コロナの免疫ついちゃったかも~」
私は「重症化なんてしませんよ。寝てたら治ります」ということを伝えて、
相手を元気づけたかったのです。
でも、テレビっ子なおじいちゃんの返事はこうですよ。
「嗚呼、やっぱりコロナがはやってるんだね。テレビのいう通りだ。なんて恐ろしい……」
うわー、逆・効・果ー!!
つーか、テレビ、テレビ、テレビ……テレスクリーンにビッグブラザー大好き。
おまえら、そんなにテレビが好きか。
テレビがおまえに何をしてくれた? 言ってみろ!
いやはや、星新一の「妖精配給会社」か、眉村卓の「いやな話」というか……。