私が出会った最凶の人物(8) ~滞納臭が充満する部屋~
さあ、次はカギの交換をして、残置物整理をしなければなりません。
もう、部屋の中がぐっちゃぐちゃなんですよ。
「生活必需品もっていってこれ?」という。
高さ30cmくらいまで、子どもの安っぽいおもちゃがなだれのように押し寄せています。
そして匂い……。
賃貸トラブルのエキスパート、クマ氏が「滞納臭」と名づけてますが、ほんとにするんです!
ふと思い出したのですが、滞納者の部屋は10人中9人が汚いです。
賃貸物件の滞納者だけでなく競売や任意売却物件の元所有者宅も汚いです。
めったにいませんが、部屋がきれいな滞納者は常習にはならないし、部屋が散らかっている人はこれから滞納者になる可能性が高い人のような気がします。
そして滞納者の部屋はタバコ&カビがミックスされた臭いがします。
訪問した時に不在だと、簡易安否確認としてドアポストから部屋の臭いを嗅ぐのですが、どの滞納者の部屋も不思議と同じような臭いがしますので、自分はこの臭いを「滞納臭」と名付けています。
参考リンク 賃貸管理クレーム日記
私の印象では、タバコ+ものすごく安っぽい車の芳香剤をうすめてまいたような感じです。
イライラする匂いです。
見積もりにきたゴミ処理業者の人も
「ここ、何かヘンな匂いしますね」っていってたんで、私の独断と偏見じゃないでよ。
さて残置物の搬出が終わって……。
駐車場に、ちょうどワゴン一台ぶんのまったく価値のない生活用品が積み上げられました。
(これをゴミ処理業者の人に持っていってもらいます。搬出と処理は別業者です)
作業員の方が、私に「これが落ちてました」といって、ビニール袋いっぱいの小銭を渡してくれました。
あっ、あの1円玉?!
お金ぐらい拾っていってくださいよ。
他にも、真っ白な通帳が何冊か残されていました。
繰り越し済みのやつじゃないんですよ。現に、今使っているであろう通帳。
そりゃカードがあれば下ろせるだろうけどさあ……。
私は小銭を受け取り、水洗いして、家賃用の通帳に入れておきました。
回収金額、150円もなかったです。
そんなことをしていると、水道の集金の人がやってきました。
水道「為子さん、いらっしゃいますかー?」
私「私は大家(代理)です。為子さんなら引っ越しましたけど」
水道「えーっ、困ったなあ」
このキャッシュレス時代にリアル集金人。答えは一つ。
私「バタバタしてて忘れてしまったんでしょう。こちらへ引っ越されましたよ^^」
水道「わー、ありがとうございます!」
そうそう、困った時はみんなで助け合わないとね。
それと厄介なのが、ポストに届くたくさんのお手紙ですよ。
為子さんの様子だと、転居届を出している様子はありません。
郵便局に「この家にくる郵便物をすべてストップしてほしい」と問い合わせにいったんですが、
「本人さんに転居届を出してもらってください」と返されました。
いやいや、あの人絶対そういうことしないんで~……。
しょうがないんで、一件ずつ折り返し電話をしました。
💡 後で調べると、郵便局に手紙を持っていって「この人はもう住んでいません」と申し出るのがスマートなやり方のようですね。
私「……というわけで、この方は引っ越されたんです。郵便物の停止をお願いできますか?」
某業者さん「かしこまりました。停止の手続きを承ります」
私「新しい住所をお伝えしましょうか?」
某業者さん「いや~、大変ありがたいのですが……法律で聞いちゃいけないことになってるんですよ~」
私「へえ、そうなんですか。それは残念ですね」
某業者さん「大丈夫ですよ。こちらで調べますから^^ わざわざありがとうございました」
ふーん、日本もずいぶんとクリーンになったんですね! ちょっと驚きました。
まあこんなふうに、いろいろと面倒な後始末が残っているんです!
鍵交換代(引き戸タイプ) 約1万
ごみ処理代トータルで 約8万
司法書士代 約6万
私の心労 プライスレス