さーて、私たちは借金作男さんの実家がある場末町(ばすえちょう)に辿りつきました。

時刻は夕飯時で、在宅可能性の高い時間です。

 

陰気な平屋日本家屋。明かりはついていません。

インターフォンを押しますが、うんともすんともいいません。

私「壊れてますよ。ここも夜逃げしたんじゃないですか?」

 

すると専務はフッと笑って、政治的に問題のあるセリフをいいました。

「ここは場末町や。場末町の人間はインターフォンなんか使わんのや。

戸をガラガラっとあけて、こんばんはー、と言ってごらん!」

 

えぇ~、なにそれ~?

いや、夜なんだから鍵閉まってるでしょ……扉に手をかけると……開いたー!?

 

「こんばんはー?」

「はーい」

うわっ、ほんとだぁ~! いたぁ~!

💡 滞納者(の関係者)はインターフォンを使わない!

 

廊下に明かりがついて、部屋の奥から女性が現れました。

借金作男さんの、今の奥さんだか内縁の妻みたいです。

まだ若そうなのに……人生いろいろと楽しいことがあるだろうに……なぜこんな借金男と?

私は深いもののあわれを感じました。

 

作男さんはいないそうなので、「車を動かしてほしい」との用件を伝えて帰りました。

ついでに、本人の電話番号勤務先の会社名をゲットです。

 

 

さっそく本人に電話をかけます。

私「あなた、うちの駐車場に車置きっぱなしにしてますよね? 困るんですけど」

作男「あー、あれ壊れてるんですよ」

 

だからなんだっていうんだ。

「動かせないの~、そうなの~、じゃあそのままでいいわよ~」なんて答えを期待しているのか?

 

私「為子さんも引っ越しますし、置いておくわけにはいかないんです。わかりますよね? すぐにレッカー移動してください」

作男「あー、はーい」

 

この「あー」って、「あ゛ー」とか「う゛ー」って音に近いものですよ。

すごく……不安です……。

 

 

ああ、今さらですが「なぜ女だけで話進めてるの? おまえんち、父ちゃんとか兄ちゃんいないの?」などと思いますか。

 

うーん、家風といいますか。

祖母は女社長ですが、曾祖母もそうだったんですよね。

典型的女系家族です。

だからお金のことを取り扱うのは当たり前っていうか。

 

もし、ひいおばあちゃんがいたらどうするかな~。

「司法書士代がもったいない!」って、猟銃持ってきてぶっぱなすでしょう。

 

だけど私は、ぬくぬく育った世間知らずなお嬢様なわけで~。

私みたいなかよわい女性が、滞納者を追い出せるのでしょうか?