よーし、ひとまず為子さんにハンコを押させました。滞納家賃は分割払い。

これで時効の消滅は免れます。

さらに「今月で契約打ち切り」=つまり今月中に退去するという約束をしました。

 

……うわあああ、不安だよお~!

そんなの「子どもが中学生になったら離婚する」って不倫男の言葉と同じじゃないか!

 

絶対に「いいとこが見つからなくて~、えへへ~、もう一ヶ月いてもいいですか?」とか言うに決まってますよ。

 

このままぼんやりしているわけにはいかない! 二の矢、三の矢を放たないと。

私が作戦を練っていると、専務(母)が声をかけてきました。

 

専務「どこの司法書士に頼んだの?」

私「え? 辺手蘭(べてらん)先生だよ」

専務「そこ、悪いって聞いた!」

私「へえ、どんなトラブルがあったんですか?」

専務「それは知らんっ!」

 

……と、プイと去ってしまいましたが……。

まあ、私的には好感触な先生ですね。このまま仕事を頼みましょう。

 

 

そしてまたもう一つ厄介な問題があるんですよね。

家賃為子さんの元ダンナ、借金作男(しゃっきん つくるお)さんが、借家付属の駐車場にワゴン車を放置したまま行方をくらましてるんです。

法律では、私が勝手にレッカー移動したら、向こうから訴えられることになってます。

 

為子さんは、作男さんの住所は知らないけど連絡を取ってるそうなので……。(←意味不明な関係性でしょ?)

 

私「それとあの車! 元ダンナに動かすようにいってくださいよ」

為子「はい、はい、わかりました」

 

~2、3日してから~

私「元ダンナにいってくれましたか?」

為子「ああ、いおうと思ったんですけど」

私「けど?」

為子「ちょっとスケジュールが合わなくて、すいません」

 

~また別の日に~

私「で、いってくれたんですか?」

為子「電話しようと思ったんですけど、忙しくてー」

私「……私に直接元ダンナの電話番号を教えてくださいよ」

為子「いえ! 私がいっときますんで! はい、大丈夫です!」

 

かたくなに教えようとしないな……(元ダンナからDVされるのを恐れてるらしい)

 

私「とにかく元ダンナにはキチッと伝えてくださいよ」

為子「あの車、壊れてるんです」

私「レッカー移動すればいいでしょう」

為子「そのお金がないって……」

私「ハァ?!

為子「あっ、いや、友だちに車の仕事してる人いるんで、大丈夫だと思いますー

 

 

この人と話してるとすごくイライラします。

こんな「思っただけ」の奴に任せてちゃ事態は進まねえぞ。何か実効性のある手を打たなければ……。

 

そんな時、専務がぽつりといいました。

専務「借金作男の実家は知ってる……」

私「そうなんですか! それを早くいってくださいよ。すぐに行きましょう」

 

書いてなかったですが、この専務は顔が広く、異常なまでの諜報力があります。

為子さんが今まで何人と結婚して離婚したとか、そういう情報はどうでもいいですが、とにかく作男さんのヤサは突き止めなくちゃなりません。

 

私は専務と一緒に、作男さんの実家を訪ねました。