こんにちは!

直接占いに関係なくても、面白そうなことは何でも取り上げるブログ主、黄玉です。

 

今回は『身体はトラウマを記録する ――脳・心・体のつながりと回復のための手法』をご紹介しましょう。

これまでにもトラウマ本はいろいろ読んできたのですが、これはすごい!

精神医学の歴史を塗りかえるかもしれない本です。

 

これまでトラウマ治療法といえば、トークセラピーがメインでした。

カウンセラーさんと話してどうのこうの、ってやつです。

 

しかし、著者は直接「脳」に注目します。

まず「PTSDが起こっている時は情動脳に支配されている」ということを突き止めました。

実際に、脳の警報システムそのものが狂っているのです。

 

だから理性でフラッシュバックを抑えこもうとしてもムダに終わります。

 

そして本人がトラウマを意識していない場合(解離・健忘など)でも、トラウマはくっきりと体に記録されています。

脳は無意味にストレスホルモンを放出し続け、身体はガチガチに緊張し、自己免疫疾患にかかりやすくなります。

 

トラウマ治療のためには「心だけに焦点を絞っても効果は薄く、脳を含む体全体に対するアプローチが大切だよ」って本です。

 

今までの精神医学に何が足りなかったのか? 心と体はどう関係しているのか?

それを、私のケースを例にして見ていきましょう。

 

 

私はあまり良くない家庭環境に育ちました。

父親は一切働かず、私に性的虐待をして、毎日のように夫婦喧嘩が起こっています。

 

子どもの頃、私は非常に病気がちで、よく頭痛を起こしていました。

あまりにも頭痛がひどいので、小学生の時にMRIを受けました。(病院には連れていってくれる)

 

ドクターは私だけをちょいちょいと廊下に呼んでこう尋ねました。

「学校にお友だちはいるの?」

「いるよ」

「そう~。じゃあクラスで委員とかに立候補するといいよ」

「???」

 

当時の私には意味不明なアドバイス。

ドクターはストレス性だってわかってたんですね。

しかし、問題は「なぜ小学三年生がそこまでのストレスを抱えているのか」ですよ。

 

私の患者の多くはストレスを受けると、それがストレスだと気づく代わりに、偏頭痛や喘息の発作を起こすことで応じる。p163

 

長期にわたって怒ったりおびえたりしていると、筋肉が常に緊張状態になるために、いずれ痙攣や背中の痛み、偏頭痛、線維筋痛症といった、何らかの慢性疼痛の症状が出る。そうした人々は、さまざまな専門家に診てもらい、多様な診断検査を受け、多くの薬を処方されるかもしれない。p439

 

それに友だちはいましたが……。

今から考えると、闇を抱えてそうな子たちとばかり仲良くしてましたね。

髪を引き抜くクセがあってハゲのある子、お父さんがうちにへんな友だちを連れてくるという子、兄弟差別がすごい子。

「まあ、どこもそんなものか」と悪い意味で納得してたわけです。

 

単に否認という反応を見せる人がいるのだ。彼らの体は脅威を認識するが、意識ある心は何事もなかったかのように振る舞い続ける。だが、心が情動脳からのメッセージを無視することを学んだとしても、警報信号が止むことはない。情動脳は働き続け、ストレスホルモンは筋肉に信号を送り続け、行動のために緊張させたり、あるいは動けなくして虚脱状態にさせたりする。身体的な影響は弱まることなく継続し、ついに疾患となって表れ、ようやく注意を向けざるをえなくなる。薬や麻薬、アルコールも、耐えられない感覚や感情を一時的に鈍らせたり消し去ったりできる。だが、体は記録をつけ続けるのだ。p85

 

小、中は「病気がちな子ども」として過ごしました。

高校に入ったころ親が離婚したので、ちょっと元気になります。

 

 

けれど大学生になった頃、父親の自殺をきっかけに一気に体調を崩しました。

被虐待児にとって、親は恐怖と愛、両方の源泉です。

ですから私は加害者を失ったと同時に、父親を失ったことにもなります。

 

子供は、たとえ養育者に虐待されたとしても、その養育者には基本的に忠実であるようにプログラムされてもいる。恐怖は愛着の必要性を増大させる。慰めのもとが恐怖のもとであるときでさえ、そうだ。p221

 

ところで、昔アメリカでは近親姦はめったになく「近親姦をすれば世界への適応状態が向上し、精神病になりにくくなる」などと、とんでもないことが書かれていたそうですね。(p41)

しかし、もちろんそんなことはなく。

 

近親姦の過去を持つ私の患者は、「その後の精神障害」と無縁とは、およそ言い難かった。彼女らはひどい抑うつ状態に陥り、混乱し、剃刀の刃で自分を傷つけるといったとっぴな自傷行動をしばしばとった。p41

 

私もそんなふうに不眠症、抑うつ状態となって心療内科の門を叩きました。

 

そこの医師は私に適当な薬を与えて「さあ、いいたいことは何でもいって! ウェルカム!」という態度を取りました。

現代日本においては、限りなく理想的な医師に思えるでしょう。

 

しかし、私はトラウマを語れな~い。

「いいたいこと? 別にないけど」状態です。

 

そもそも、当時の私は何が原因でこうなっているのか、さっぱりわかっていません。

「社会に出ていくのが不安だからこうなっているのかな~」ですよ。

 

おい、ちがうんじゃないの!?

 

また被虐待児には「成人後に一気に問題が噴出する」というパターンがあって、その時期とちょうど重なったんでしょう。

 

彼らが自分の疎外の起源を自覚していることは、まずない。そこでセラピーの出番となる。それが、トラウマによって生じた衝動を感じられるようになる第一歩、自己を観察する能力を稼働させる第一歩だ。だが、結局のところ、脳の脅威知覚系が変化してしまったのであり、身体的な反応は過去の痕跡の言いなりになってるのだ。p113

 

私に抑圧された記憶はありません。(と、思います)

いろんなことをバッチリ覚えているのですが「その記憶が自分にどういう影響を与えているのか」という一点のみがまったくわかりませんでした。

 

肝心なのは、自分が知っていることを知るのを自分に許すことだ。それには途方もない勇気が必要となる。p382

 

つまり私は被害を認められていなかったのです。

だってそんなことになったら今までの世界観が崩壊しますからね。

 

そういうわけで、私は「症状に隠れてトラウマが発見できない」という堂々巡りの状態になりました。

 

続く。