皆さま、新年明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願い申し上げます。

 

さーて、お正月は時間がありますよね?

では今日からじっくりと、河口慧海のことについて語っていきましょう。

 

……誰それ?

 

以前ブログ記事でもちょっとふれましたが、今から119年前(明治33年)に、お経を求めてチベットに密入国したお坊さんです。

この人は酒は飲まない、肉も魚も卵も食べない、女は抱かない、煙草なんて吸うわけはない、午後以降は何も食べない(非時食戒・ひじじきかい)習慣を貫き通した、バリバリの聖僧です。

 

河口慧海はなぜチベットに行きたいのか?

一切蔵経を翻訳しよう → でも漢文の訳書は何冊かある。どれが正しいんだろう? → よし、サンスクリット語の原書を探しにチベットへ行こう!

私みたいな凡俗からすると「何でそんなことしたいの?」ですね。

 

ですが、その頃チベットでは鎖国政策を取っていました。外国人は見つかったら極刑!

またその当時は、フツーに山賊や猛獣がウロウロしてます。ユキヒョウは絶滅していません。気候も大変厳しいところです。

当然、周囲の者は大反対。

 

けれど慧海は「よりて我ら仏教僧侶は戒法を持つことが資本である、旅行費である、通行券である。そうして釈尊の教えられた最も謙遜の行すなわち頭陀乞食を行うて行かんには何ぞ旅行費なきを憂うれえんやというような訳で、これが無銭で大旅行を決心した理由であります」、

「仏法さえあれば何でもできる。無銭旅行で行くぜ!」とクレイジー極まることを言い出して、チベットに発ちます。

 

 

まずチベットに入国するまでに、かなりの苦難があります。

雪解けの川をわたる → 高山病で大量の血を吐く → 1.5kmもの大河をわたる → 飲み水が尽きる → 地面に溜まっていたウジだらけの赤い水を布でこして飲む → 氷河で溺れかけるがあやうく助かる → ヒマラヤ山中で遭難する → 仮死状態でなんとか生き延びる → 女難に遭う → 断るとその家族から殺されかける → 強盗にあう → 雪目になって視界不良 → 犬にかまれて、また血を吐く……。

 

こういう「普通の人なら百回は死んでるよね」という試練が雨あられと降りかかります。

 

慧海はその七難八苦をどう乗り越えたか? そしてどうやってお経を持ち帰ったのか?

それがまとまっているのが『チベット旅行記』作・河口慧海 です。

 

実はこれ、青空文庫に収録されていまして。 誰でもフリーで読めます。

現代では絶対不可能な、波乱万丈、ハラハラドキドキの一大冒険記です。

お正月休みに読んでみてはどうでしょう?

 

講談社学術文庫のものが「完全版」です。

白水社版は後半をかなり端折っています。ラスト近く、五重の関門を脱するシーンがごそっと抜け落ちてますのでご注意を。

 

続きます。