毛のふさふさした動物の不思議な話
こんにちは! 黄玉です。
いや~、すっかり春爛漫ですねえ。
今日は肩のこらない話でも。
私の近所に、猫を飼っているお宅があります。
たまーに窓のところに猫が出てくるので「かわいいな~」と思っていました。
さてある時、近所を歩いていると。
道端に灰色の毛のふさふさした動物が落ちています。
そしてこっちを見て「にゃっ」と鳴きます。
「ちょっと人間。あたくし困ってるの。何とかしなさいよ」というふうに聞こえました。
……これ、あの家の猫だよな。家に戻してあげないと。
でもよその家の猫なんて抱っこできるだろうか? 警戒されてはまずいし……
だけど、簡単に頭ナデナデできました。
うわっ、人になれすぎ!
しかも私が「その家の人を呼んでこよう」と思って歩いていくと、後をついてくるんですよ!
めっちゃかわいいですやん。
その家の人は留守でした。
そこで私は近所の別の人と相談して、その家のドアを勝手にあけて(カギが閉まっていなかったのです。きっとここから脱走したのでしょう)猫を家の中に入れました。
猫は後も見ず、さっさと部屋の奥に入っていきました。
お家に帰れてよかったですね。
そしてまた別の日。
今度は、茶色の毛のふさふさした動物が落ちていました。
これもあの家の猫です。
Q:なぜおまえは他家の猫の顔を熟知しているんだ?
A:猫宅の前を通るたびに「今日は猫ちゃんいるのかな~」と思って、窓をのぞいているからです。
その家にどんな方が住まわれているかは、まったく存じ上げません。
猫は「にゃっ」といって、足にスリスリしてきます。
私は心の中で「おー、よしよし、おまえも脱走したんでしゅか~、わるい子でしゅね~、もうお家かえりましょうね~」といって、抱っこしました。
ドアをあけて(やっぱり無施錠!)中へ入れると、猫は一目散に部屋の奥へ逃げていきました。
ああ、今日もいいことをしたなあ。
ちなみに別の近所の人に頼んで、猫宅の人に「鍵があいていた」と伝えてもらいました。
これで戸締りに気をつけてくればいいのですが。
しかしまあ、この家の猫はなんなんですかね。
自分で勝手に脱走して困っていても、たまたま道を歩いている人が自分を知っていて、たまたまその人が猫好きで、たまたま自分を抱っこして家まで連れて帰ってくれると信じているんですか?
(↑どちらの猫も、これらの一切について微塵も疑っていないような目をしていました)
ハッ、世の中そんな甘いわけ……。
甘いですね。ドロ甘ですよ。はちみつケーキ並みです。
なぜか近所のおせっかい野郎がベストタイミングで現れて、なでなでしてお家に帰してくれます。
よく自己啓発/スピリチュアル世界で「そう思えばそうなる」系の話がありますが、やっぱそうなんですかね。
あの家の猫たちは「人間は自分の意向を汲み取り、かつそれを速やかに実行するものだ」と確信しているようでしたよ。
どんな育てられ方をしているのか、よくわかりますね。
まあこんなふうに、ポジティブな心構えでいれば、
自分にとって超絶都合のよいことがたまたま起こるかもしれませんよ。
ですからまずは、毛のふさふさした可愛い動物になるようにしましょう。
すべてはそこからです!