ただ話を聞いてほしいだけなの!……「タダ」って何?
こんにちは! 黄玉です。
春寒の候、いかがお過ごしですか?
今日は会話にまつわるトピックです。
あなたも一度は「ただ話を聞いてほしいだけなのに」と思った/言われたことがあるかもしれません。
ですがこれ、実はかなり厄介な欲望でして。
この世の中には「アドバイスなんかいらない。話を聞いてほしいだけ」という人がいます。
特に女性はそういう方が多いですね。
話を聞いてもらえないとなると「ただ話を聞くだけなのに。それくらいやってくれてもいいんじゃないの?」と不機嫌になります。
ですが「話を聞く」というのは、かなり高度なスキルです。
カウンセラーや愚痴聞き屋など、それ専門の職種があるくらいです。
「ただ話を聞いてほしい」というのは、
「私をわかって! 私を受け入れて! 私を受け止めて!」ということです。
子が親にいい、親友にいい、配偶者にいうんなら、まあいいでしょう。
しかし「ただ聞いて」の人は、
たいして深い関係でもない、知人レベルの人たちにまで、最高度の受容を求めます。
さらにこの場合の「話=単なる愚痴」です。
解決策を求めず、自分でも本気で改善するつもりはありません。
今回は何だか厳しいじゃん? 占い師のくせに。
占い師だからこそです!
占い師は、お客様の話を聞くのが仕事、というところがあります。
ですがそれは「占いに必要だから」です。
過去、このような体験がありました。
私は若い頃、対面鑑定をしていました。
繁華街の地下の一角で、雇われ占い師をやっていたのです。
何分占っていくらという、時間制のお店ですね。
さて、そこにきた男性のお客様。
最初の一回はよかったのですが、二回目からフツーじゃない。
仮にAさんとしましょう。
私「今日は何を占いますか?」
A「じゃ~、○○を」
私「はい」(何十分か経過)
A「で、あの人があーでこーで、どーで……」
私「あの、お時間かなり経過していますが大丈夫ですか?」
※私はお客様が「えっ、もう〇〇分経ってたの?」とビックリしないよう、途中で声をおかけしていました。
A「いいじゃん。ただ聞いてもらうだけなんだから」
私「は?」
A「占いしてもらうんじゃないから、いいでしょ? ほら、カードさわったりしてないし」
つまりAさんは「タロットカードを展開したり、筮竹をさばいて占い結果を告げる時間以外は、すべてタダでいいでしょ? だって、ただ話を聞くだけなんだから」というのです。
あっはっは。おヘソで茶がわいちゃうよ。
私「これも占いのうちに入ってます」
A「ちがうやん。ただ話聞いてるだけやん」
私「ここ時間制で、そういうシステムですから」
そして「払え」「別にいいだろ」の押し問答が長々と続きます……。
A「いいじゃ~ん? ただ話を聞くだけなんだから」
私「……ハッ、そりゃあね! 私がオマケしてあげることはできますよ。い~くらだってできますよ。
でも私ね、ここのオーナーじゃないんで。雇われてるだけなんで。
それでオーナーから、売上売上っていわれてますから!」(別にそこまで言われてなかったですけど)
A「あ~、じゃあ、払う、払うよ!」
私「当然でしょう」
A「じゃあ、これくらいで」
私「足りません!」
私この時、押し問答してた時間のお金はもらってませんからね。
Aさんよ、今からでも遅くはない。過去の罪状を悔い改めよ。
さもなくば、そなたは衆人から卑しまれ、焦唇乾舌(しょうしんかんぜつ)の禍を免れ得ないであろう!
(=人間関係でのトラブルが絶えないでしょう)
おっと、ついついヒートアップしてしまいましたね。
でも「ただ聞いて」の人が、いつか周りから見放されてしまうというのは本当ですよ。
だってこの人たち「ただ」聞くだけだと思っているのですからね。
相手の話に耳を傾け、受容するというのがいかに大変なことか。
その重みがまったくわかっていない。
そして「ただ」聞くだけなんだからと、聞いてもらった相手に感謝することはない。
人の時間を奪い、イヤな気分にさせ、そんな自分を恥じることもないのです。
さらにバッドなのは「愚痴を聞かされることによって、こちらも愚痴を言いたくなる」ということです。
イヤな気分=波動の低下=不運です。
つまりタダ聞かせの人たちは、周囲に不運・不幸をバラまいているのです!
さあ、もうおわかりでしょう。
あなたがいくら「話くらい聞いてあげなくちゃ」と寛容な気分でいたところで、奴らはあなたに感謝することなど一切ないのです。
「あなたには自分を最大限に受容してもらいたい/でも自分は何も返したくない」のです。
というわけで、次からはタダ聞かせの撃退方法を見ていきましょう。
まず「ただ、うんうんと言って聞いてあげる」のは絶対NGです。
あなたは傾聴ボランティアでも何でもないのですよ。
それに「ただ聞いてあげる」と、相手は「この人なら自分の話を聞いてくれる」と勘違いします。
あなたが相手の話にウンザリしているのなら、断固たる態度を取らねばなりません。
こんなふうに!
「またその話? 進歩ないわね」(見下し)「そんなにイヤならやめれば?」(正論)「そりゃあんたが悪いわ。少しは反省しなさいよ」(非難)「まずは今の現状に満足しないとね」(スピリチュアル)「みんな我慢してるんだから」(日本の伝統)「その人にはその人の考えがあるんでしょ」(中立)「何よそれくらい。そんなことよりね……」(自分の話にすり替え)「世の中は自分のためにあるのではなく、世の中で自分がどう生きるかなのよ」(眉村卓)「自分から幸福になる努力をしなくちゃ。そんなことじゃ何も変わらないわよ」(説教)「つまんない毎日送ってんのねえ~。それよりあたし、この前フランスに行ってきてさあ~」(自慢)「よく他人のことそこまでいえるわね。あたしのことだってどういってるかわかったもんじゃないわ」(攻撃)「どうせ愚痴ばっかなんでしょ? もう会いたくないわ」(面会謝絶)
え、え~……そんなこというの?
そうです!
奴らは精神的マスターベーションの相手として、あなたを狙っているのですよ。
これは正当防衛です。
相手の話の腰を折って、話したい欲求をくじき、反対にモヤモヤした気分を味わわせてやるのです!
とどめはこうです。
「そりゃあ、理不尽なこと、我慢できんことはいろいろあるわな。けどな、みんな我慢しとるんやで。あんたもいい大人なんやから。イヤなことはぐっと飲みこんで、ただ黙っといたらええんやで」
関西弁・説教・大人だから、の封殺技です。
ふう、ここまではやりたくないですね。
しかし、これも我が身を守るためです。仕方ありません。
まあ大人ならば「ただ話を聞いてほしい」の中にある
「自分に賛同してほしい、認めてほしい、同調してほしい」って強烈なエゴを自覚しておくべきですね。
どうしても「話を聞いてほしい!」ってときは
占い師やカウンセリング、愚痴聞き屋さんを利用するのがたしなみですよ。
あなたが愚痴をいってスッキリしたぶんだけ、相手はそのストレスを背負っているのです。
あなたが何の気なしにいった愚痴が、いつか人間関係を崩壊させるかもしれない……。
その事実は、ゆめゆめ忘れないようにしましょう。
それではまた~!