爻位(こうい)って何?

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爻位(こうい)って何? ということを解説していきます。

卦は、6本の棒で構成されていますね。

 

実はこれは時間の経過・身分の上下・位が正しいか不正か、などいろいろなことを表しています。

 

(1)時間の経過は、そのまんまです。

例えば最初の1本目を「現在」とするなら、6本目が「半年後の状況」となるなど。

 

(2)身分の上下とは、こういうものです。

左が古代中国の階級、右が現代日本の会社員のランクを表しています。

 

上から順番に

6 仙人 (会長)

5 皇帝 (社長)

4 大臣 (部長)

3 貴族 (課長)

2 官僚 (社員)

1 平民 (バイト)

というものです。

 

バイトからはじめて、社員、課長とランクアップしていく様子です。

中国は昔からハイパー官僚社会でしたので、占いにもこうした階級差がロコツに影響しています。

厳しいもんですな!

 

ポイントは、6本目はいちばん偉いけれど、隠居した人であるということです。現役を引退した人なのです。

現実世界でのトップは、5本目の位に当たります。

 

(3)位の正、不正とは。

易は、奇数を陽、偶数を陰としています。

ここから、卦を作る時「一本目は陽、二本目は陰、三本目は陽……のが正しい(ぴったり合ってる)んじゃない?」という発想が出てきます。

陽は陽の場所に、陰は陰の場所に納まっているべき、との考え方です。

 

この水火既成(すいかきせい)という卦は、すべての位が正しい卦です。

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下から順番に、陽、陰、陽、陰……と並んでいますね。

ただ、これは「正しい」からといって、大吉かというと、そうでもありません。

そこが易のひねくったところです。詳しくは個別に解説していきます。

 

(4)私がよく使ってる爻位の見方があります。

小川

それは「3本目と4本目の間に川が流れている」とする見方です。

川の手前は、下の部分の八卦(内卦)として、川の向こうは上の部分の八卦(外卦)とします。

 

そして、川(試練)を越えたか? まだか? としたり、

その川を越えられる力があるか? また、その川の広さは?

あるいは、今は切り替わりの時期なのか? とイロイロ見ていきます。

 

六十四卦に加えて、こうした情報を使えば、格段に占いやすくなります。

あいまいで抽象的にならずに、スパッと占断できるのですね。

 

 

私は、易ってけっこう現実的な、世俗社会向けの占いだな~、と思います。

 

易は、占いです。

だけど、易には神頼み的な発想が一つもありません。

「今はどういう状態で、自分はこれからどうしていったらいいのか!?」という、その一点だけです。

 

中国人は昔からリアリストですからね。

ここにはロジカルでシビアな、大陸を生き抜く思想が見てとれます。

 

それではまた、次からは六十四卦の説明です~。