鎌田東二に学ぶ、腹八分目メンタルトレーニング法(あるいは欲望の断念について)

こんにちは、易者の黄玉です。

今回は感情のアップダウンに悩む方のために「腹八分目でメンタルトレーニング法!?」をご紹介します。

 

 

先日私は、鎌田東二の対談集『霊性の時代 これからの精神のかたち』を読んでいました。

鎌田東二というのは、説明は難しいですが、神がかった宗教学者です。

この本は、老人(加藤清)とおっさん(鎌田東二)のオカルト放談集みたいなもんです。

 

ちなみに加藤清というのは、統合失調症の治療にLSDを使ったことで有名な伝説の精神科医です。

「伝説の」って、つけていいのかどうかわかりませんが。

 

 

その中で、興味深い箇所を見つけました。

この鎌田氏は、子どもの頃からお酒をのんで酔っ払い、四六時中変成意識状態になって、毎日トリップしてました。

そんな鎌田氏は、大きくなってからもお酒ひとすじ。毎日ベロベロに酔っぱらってました。

しかしある時お告げを受けて、今までの生活を改めようとします。

 

そして十二月の末に帰ってきまして、翌年の一月七日の日に声が聞こえてきたんです。おまえは自分の欲望に取り巻かれている。おまえが本当に進化、成長していくためには、おまえはおまえの欲望を超えていかなければならない。おまえがこの世で役割、使命を果たすためには、その欲望を超えていかなければいけないというような声が聞こえてきたんです。

ああ、困ったな。欲望と言われてもなと(笑)。それは現実の声として響いてきたわけです。進化、成長していくためにという声が聞こえてきて、ぼくは考えた末に一番好きなものを絶とうと思って、その日から酒をやめたんです。(p119)

 

そして禁酒して、何が起こったかというと……。

 

それが、酒を絶ってみると、こんなに楽しいことはない(笑)。

酒のない人生、生活はこんなにハッピーなのかという状態がずっと続いていまして、酒をやめるといかにつまらないかと思っていたのが逆で、酒をやめたときに初めて、本来、自由というのはこういう状態かと思うほどすごく安定した状態が続きました。今まで酒を飲むとハイになった。しかし、それも二日酔いとか、後でローになって、ダウンする。そういう状態だったのが、いつもハイ、酔っぱらっている状態なんです(笑)、酔っているのか、さめているのかわからない(笑)。(p120)

 

では、なぜそのような状態になったのでしょうか?

 

 

それで本当に変わったことがあるんです。酒をやめる前は呼吸が浅かった。なぜならば、酒を飲んで食べますから、腹いっぱいになる。腹がいっぱいになると、本当に深い呼吸ができないんです。呼吸が浅くなる。酒をやめると、食べるものも腹八分目に近いものになります。お腹いっぱい食べても、そんなに食べすぎません。お腹の具合が普通の状態になる。そうすると、必然的に呼吸が安定してくる。

精神の安定に一番、身体的な影響を与えるのは呼吸の安定だと思う。息をしやすくなる。息をしやすくなるというのは、自由感とつながっている。だから、呼吸が楽になるというのが、生きているときにすごくリラックスすることとつながってきて、昔は呼吸のしかたが今と違っていたんだなと感じるようになった。(p121)

 

お酒をのまない→満腹にならない→深い呼吸ができる→精神がフラットになった、そうです。

 

まあヨガでも導引術でも、大事なのは「呼吸」だと聞きますからね。

メンタルのアップダウンに悩んでいる方は、腹八分目を目指してみてはいかがでしょう。

鎌田氏のように、ハッピーな精神状態になれるかもしれませんよ。

 

「腹八分目」の目安は、こちらを参考にしてください。

満腹を感じる脳の視床下部は、食後20分ほどたたないと「満腹信号」を出すことができません……

 

 

さらに鎌田氏は、今までの暴飲暴食を忘れたかのように、ウキウキ話をしています。

 

諦めるということが、次に生まれてくるものを準備する。ぼくは、酒を断ったときに、諦めたということが何がしかあった。欲望を諦めた。自分はもっとああしたい、こうしたいとか、これをもっと食いたいとか、いろいろあったような気がします。でも、そういうものがどんどん落ちていった。いま物質的な欲望は限界まで来ている。そうすると、そういう欲望の達成をどこかで諦めないといけない。

諦めがあったら、必ず生きていけます。そして、それが覚悟にまでなったら、十分、倫理的にも楽しくも生きてもいけると思うんです。覚悟と言っても、遊びと言っても、共通している。そうすると、すごく自由にもなる。だから諦めこそが自由を生んでより本性に近づく道なんです。中途半端な諦めは人も身も活力をなくしてしまうけれども、本物の諦めというか、本当に諦めたら、つまり明らかになったら、もっと自由になってくる道があるはずだと思います。(p266)

 

ふ~ん。

仏教的な感覚では「諦める=明らめる」なのですね。

腹八分目で精神がフラットになって、さらに悟りまで開けたらいうことはないですね。

これは、ダイエットの極意にも通じることかもしれません。

 

私も今後は、呼吸の状態に気をつけて、食事をしたいと思います。

 

まずは、今目の前にあるおやつを明らめるところからはじめましょう(笑)

まあ、いつかは食べると思いますが。

それでは、また~。